1: pureφ ★ 2012/06/16(土) 22:18:41.08 ID:???
プルトニウムの研究に新たな展開 239Pu 核磁気共鳴(NMR)

中堂博之研究員(左)及び安岡弘志嘱託(右)。239Pu-NMR信号発見直後、ロスアラモス国立研究所、
固体物理NMR実験室にて。
プルトニウム(Pu)は周期表のなかで最も扱いにくい複雑な元素であり、その正体は未知の部分が多く科学者を魅了し続けてきている。また、Puの酸化物や錯体といった化合物は物性物理学的にも原子力材料科学的にも重要な物質群であるが、金属同様それらの性質は十分理解されているとは言い難い。しかしながら、
今、核磁気共鳴(NMR)という良く知られた微視的分析手法が、これまで理解されていなかったPuにかかわる謎を解き明かす強力な手段として登場した。 日本原子力研究開発機構(JAEA)、先端基礎研究センター(ASRC)と米国ロスアラモス国立研究所(LANL)の研究者は
239Pu核のNMR観測に世界で初めて成功した。この発見は、Pu金属やその化合物の複雑な要素が絡み合う未知の物性や機能を原子レベルで解読できる"ロセッタストーン"となることは確かである。この研究は、"Observation of 239Pu Nuclear Magnetic Resonance"というタイトルで米国Science Magazineの5月18日号に掲載され、この号のハイライトの一つに選ばれている。
過去50年にわたって、世界中の物理学者や化学者が239Pu-NMR信号の探索に努力してきたが未だに成功していなかった。今回、JAEA/ASRCの持つ世界最高レベルのNMR技術とLANLにおける卓越したPu化合物取り扱い技術を融合し国際共同研究としてLANLにおいて信号の観測に挑戦した。研究チームは最も適した化合物として二酸化プルトニウム(PuO2)に狙いをつけ、高純度の試料を作成した。LANLの客員教授安岡弘志(JAEA/ASRC、非常勤嘱託)をリーダーとするチームは、この
PuO2を用い、液体ヘリウム温度(約4K)で外部磁場を掃引することにより239Pu-NMRの観測に初めて成功した。 
PuO2における239Pu-NMRの周波数-磁場ダイアグラム(この勾配から核磁気回転比が決定される)と実験装置の模式図。
1949年の発見以来、NMR分光法は物質の原子や分子レベルでの評価や1H-NMRを用いた断層撮影(MRI)への応用など広い分野へ展開されてきている。また、NMRは、化学、物理や医学における原理を探求する原子スケールでの無侵蝕な手段として特徴的な役割を演じてきている。このような輝かしいNMR分光法の歴史の中で、
今回の239Pu-NMRの発見はPuに関する固体物理、化学、生物学や材料科学の発展に革命的な進歩をもたらすものと研究者達は信じている。 このような研究の過程で、研究チームはNMRにとって最も重要な239Pu核固有のパラメーターである核磁気回転比を決定した。この核磁気回転比は"核の指紋"と呼ばれ、原子核の磁気モーメントとスピン角運動量を関係づける定数であると同時に、NMRの共鳴周波数と磁場とのあいだの比例常数でもある(共鳴周波数=核磁気回転比 磁場)。この核磁気回転比が決定されたことにより、物質中で共鳴条件をピンポイントに設定できるようになった。物質中でのNMRは基本的に核磁気をプローブとして電子の状態を明らかにすることにある。この電子が、とりもなおさず、Pu金属や化合物の伝導や磁性や化学反応性といった基本的な物性を制御している。従って、239Pu-NMRを利用することにより、Pu単体金属の構造の不安定性、化合物における異常な高温超伝導の発現機構や環境や生体と強く相互作用しているPu錯体形成のプロセス等未解決の分野の研究が大きく前進することが期待されている。

239Pu-NMRの発見と波及効果
更に、原子力工学の分野では核燃料、安全性の高い原子力発電に材料の模索、環境中におけるPuイオンの挙動や核燃料廃棄物の長期保存といった分野でPu化合物の更なる理解は不可欠である。239Pu-NMRはこれらの分野の革新的は研究にも強力な手段となる。 以上のごとく、239Pu-NMRの発見により物性物理学をはじめとするPuに関する多岐にわたる分野で、未踏領域の解明に挑戦できる、まさに、ロゼッタストーンを手に入れたことになる。Pu科学の新しい展開に期待が膨らむ。
>>2辺りに続く
独立行政法人 日本原子力研究開発機構 2012年5月8日
www.jaea.go.jp/02/press2012/p12051701/02.html
元スレ:http://anago.2ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1339852721/
2: pureφ ★ 2012/06/16(土) 22:18:51.33 ID:???
本プロジェクトの研究チームは、JAEA/ASRC側が安岡 弘志(非常勤嘱託)、中堂 博之(任期付研究員)、LANL
側がGeorgios Koutroulakis, Eric D. Bauer, David L. Clark, Gordon D. Jarvinen, Scott Richmond, Alice I.
Smith, Joe D. Thompson、 Douglas K. Veirsの各博士であった。
Observation of 239Pu Nuclear Magnetic Resonance
H. Yasuoka, G. Koutroulakis, H. Chudo, S. Richmond, D. K. Veirs, A. I. Smith, E. D. Bauer, J. D. Thompson,
G. D. Jarvinen, D. L. Clark
Science 18 May 2012: Vol. 336 no. 6083 pp. 901-904 DOI: 10.1126/science.1220801
http://www.sciencemag.org/content/336/6083/901.abstract3: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:20:45.50 ID:e3lxFlGZ
なるほどなるほど
4: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:21:50.45 ID:vgOUuwKn
測るだけの実験で世界発だというのは少々信じがたいな。
5: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:29:21.22 ID:gbxkabxt
半可通から見て、まだだったというのが意外、ということって
色々とあるんだろうな
6: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:36:54.89 ID:qKt4LSzW
測定が難しかったのは、磁気回転比が小さいからか?
14Nなんかは3MHz/Tくらいだけど昔から測定できていたから、それだけが原因とは思えないが。
7: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:37:26.65 ID:OzCMqKZX
>>6
濃度でしょ。
8: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:40:28.45 ID:qKt4LSzW
>>7
高純度のPuO2の固体なんて、それこそ核兵器級プルトニウムとして昔から
あったと思うが。

プルトニウム - Wikipedia
同位体 239Pu は、核分裂の起きやすさと合成の容易さのため、現代の核兵器における主要な核分裂性物質である。中性子反射体のない球状プルトニウムの臨界量は16 kgだが、中性子を反射するタンパーを用いると核兵器中のプルトニウムピットは10 kg(直径10 cmの球に相当)まで減らすことができる。1 kgのプルトニウムが完全に反応したとすると、20キロトンの TNT 相当の爆発エネルギーを生むことができる。
9: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 22:42:34.10 ID:jb1r3ezY
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
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j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
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u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
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ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
16: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 23:37:10.35 ID:gnMiJXpR
>>9
それはMMRや
42: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 13:01:54.79 ID:4XlTKtpk
>>16
ワロタwww
14: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 23:32:25.16 ID:tADvxzeg
NMRはそもそも感度が悪い。プルトニウムの検出に放射線で測定する以上の意味をどれだけ
求め得るかのほうが疑問だ。別にやったっていいけどさ。
悪いけど、今、日本でやるべき研究じゃないと思うよ。

核磁気共鳴 - Wikipedia
核磁気共鳴(かくじききょうめい、NMR、Nuclear Magnetic Resonance) は外部静磁場に置かれた原子核が固有の周波数の電磁波と相互作用する現象である。
15: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 23:33:19.40 ID:OzCMqKZX
>>14
検出じゃなくてどういう化学状態なのかを調べるためだよ
22: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 06:58:36.92 ID:ajdag1FG
>>15
検出しただけで化学状態がわかるのかよ。おめでてーな
24: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 15:43:34.42 ID:1GmDkLM7
>>22
NMRを「単なる元素の定量法」とか思ってんのかよ。おめでてーな
17: 名無しのひみつ 2012/06/16(土) 23:41:25.24 ID:RyHeVPoQ
わかってない奴大杉ワロタ
18: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 01:54:36.74 ID:dSF31bw3
結局は低温・高磁場の環境が達成できたからということになるんだろうか
プルは6Kでも内部磁場が発現しないらしいね
21: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 06:06:23.62 ID:WTJLJsdB
>>18
この程度の温度と磁場ならどこでも作れるからそこら辺は関係無いかと
19: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 03:08:54.68 ID:i+wo4eNN
20: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 03:55:44.34 ID:Lc6wR1FF
ふーん
26: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 17:22:05.97 ID:Iu1NapVm
固体NMRってだけでなんかもう良くやるなーって感じ
400MHzまでしか触ったこと無いけど
27: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 21:57:39.10 ID:Ej3QU8Qx
こんなでかい元素だと どうやって計算するの?
エネルギー準位がありすぎて困りそうな気がするんだけど?
29: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 23:14:17.04 ID:GXjxgruF
>>27
s=1/2だから核のスピン準位は2つしか無いよ
28: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 23:07:29.40 ID:aOlMqv8X
研究したいからどんどんプルトニウムを作りたいとか言い出すのか?
31: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 23:34:29.84 ID:jr8s+2Wp
おれはチンプンカンプンだが
このスレにはわかってそうな奴がそこそこ居るみたいだ
頼もしい
32: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 23:54:04.56 ID:i+wo4eNN
プルトニウムの比較的豊富な同位体の中で238Puと240Puは核スピンが0でNMRでは
検出できないから、239Puをプローブにするわけか。
33: 名無しのひみつ 2012/06/17(日) 23:56:10.27 ID:/g9MmW/1
定量だけでいいならICPで十分だろ。
NMRだからこそイインダヨ!
34: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 00:29:42.64 ID:DitGfzwB
これ一回の測定にめっちゃ時間かかるんだろな
37: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 03:34:36.99 ID:5n/dUbnn
純良な単結晶のおかげで固体NMRできましたってことか?
38: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 07:31:55.63 ID:yU7QZJhy
固体NMRに単結晶はいらない。
前にも出てきたがNMRは感度が悪い。今サンプル量をつぎ込んでこういう学術研究を
することはないと思うぜ。
40: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 12:28:43.74 ID:h0awR7te
なるほど!さっぱりわからんわいwwww
43: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 19:53:27.72 ID:arw9fEFT
"プルトニウム原子の検出・定量のための研究"
だと勘違いしてる奴が多すぎじゃね?
44: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 21:54:49.07 ID:kidtguTe
させておけばいい。
そして無理に理解させることもない。
どうせわかったところで何の役にも立たない奴等だ
45: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 22:07:14.33 ID:2uG9I+Pr
測定した原子が何の原子と結合しているかまでが推定できるのがNMRだからな。
結果として未知サンプルに含まれる化合物がどんなものかまで分かる。
エタノール試料で水素のNMRを測定すれば(事前に組成式がC2H6Oと分かっているとして)、
酸素に直接結合している水素1つ、酸素と結合している炭素と結合している水素2つ、
酸素と結合していない炭素に結合している水素3つということまで情報が得られる。
リチウムのNMRがリチウム電池の電極の挙動の研究に使われるのと同じような感じに
燃料棒中のプルトニウムの結合が温度や圧力でどう変化していくのかとかを研究する
のが最終目標になるんだろうね。
48: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 23:40:18.67 ID:YN8egqpC
>>45
>測定した原子が何の原子と結合しているか
本来のNMRは核内の情報を得るものだけどね
だからプルでの最終目標てのは核内
46: 名無しのひみつ 2012/06/18(月) 22:22:13.69 ID:nAx+BHX0
なんでNMRでやる必要があるのか
53: 名無しのひみつ 2012/06/22(金) 04:50:09.15 ID:q6uA+PpF
このスレはNMRで元素の定量をしている人が結構多いんだな
金属錯体の構造解析に使うとかそんなイメージしかなかったわ
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